みなさん、こんにちは。
Lake Biwa Hikers(以下、LBH)の発起人をさせて頂いている、Kenshinです。
LBHが提案するトレイルの第1弾、奥琵琶しおかぜトレイルが2025年1月に公開されました。
公開といっても、トレイル上に道標もなければ、トレイルの維持・管理を行う団体組織もないですので、あくまで自分たちが勝手にそう呼んでいるだけですが(笑)
滋賀の北部でトレイルを提案しようと思ったきっかけ
2024年6月に あまとみトレイル と 信越トレイル という2つのトレイルを、つないで歩いたことが始まりでした。
前半のあまとみトレイルは里山と街歩き、後半の信越トレイルは本格的な山歩きが主体のトレイル。
2つのトレイルは、標高 1,382m の斑尾山の山頂でつながっています。
それぞれのトレイルに独特の雰囲気があり、すっかり魅せられてしまいました。
ハイキングを終えて関西に戻り、真っ先に思ったのが「こういったトレイルを滋賀で提案できないか?」ということでした。
信越トレイルでのテント泊の様子。行程としては6日目にあたる。
なぜ、滋賀なのか。
それは、自分が滋賀出身ということもありますが、あまとみ・信越トレイルの提案の仕方を見て、滋賀が持つ魅力をハイキングでもっと引き出せるはずだと、むしろ強く感じたことが理由に挙げられます。
滋賀には 高島トレイル という、信越トレイルと同じくらいの20年近い歴史を持つ立派なトレイルがあります。
あえて、ざっくり言ってしまうと、高島トレイルは本格的な山歩きの性格が強く、信越トレイルのそれに似ています。
そうなると、滋賀に足りないものは、あまとみトレイルに相当するものである。
この考えに至るのに、時間はかかりませんでした。
こうして、里山と街歩きを主体としたトレイルの構想が始まりました。
まずは仲間集めとチーム作り
そうはいっても、一人では何も出来ません。
ルートの策定、現地調査、情報発信など、いろいろな作業を同時並行で進めるには仲間が必要です。
そんな中、自分が一番先に声をかけたのが、現在のメンバーである Ryo さんです。
関西の方であればご存じの方も多いと思いますが、Ryo さんは 1.6万人のフォロワーを抱える YouTube チャンネル「みそしるえがお」を運営されていています。
さらに、滋賀のハイキングを推進する Instagram ハッシュタグ #しがっぽ の提案者でもあります。
RyoさんのYouTubeチャンネル「みそしるえがお」
滋賀で新しいトレイルを提案するにあたり、Ryo さん以上の適任者はいないだろうという安易な考えでコンタクトをとったところ、意外にも快諾頂き、チームに加わってもらうことになりました。
想定ルートを歩くやいなや、その様子をさっそく 動画でアップ されるところは、さすが YouTuber。
間もなくして、Ryo さんの YouTube 動画を見たハイカーの方々から「自分も何か手伝えることはないか」と、連絡が入るようになりました。
コミュニティの名前が決まる
現在、自分たちが標榜している「Lake Biwa Hikers」は、滋賀を歩くハイカーのコミュニティの名前です。
通常、トレイルと団体は1対1の関係であることが多いかと思います。
例えば、〇〇トレイルを維持・管理する一般社団法人〇〇トレイル、といった具合です。
一方で、LBHは1つのトレイルを維持・管理するための団体ではなく、これから開拓されるであろう複数の新しいトレイルを提案する場所だと考えています。
つまり、LBHについてはトレイルと団体の関係が、多対1の関係であると言えます。
そんな難しい話はさておき。
ズバリ、「Lake Biwa Hikers」の名前を考案したのは、Ryo さんです。
もう、これ以上、ストレートな名前は無いだろうということで、満場一致(2人)で決まりました。
SEOの視点でも、100点満点だと我ながら思います。
後で気づいたのですが、LBH は「Let's Be Happy」の頭文字でもあるということで、ハイカーのあるべきマインドセットを表すにも、この上ない良い名前だと感じています。
素晴らしい名前を考案してくれた、Ryo さんに感謝です。
ポッドキャストで思いのたけを語る
まだルートも決まり切っていない状態であるにも関わらず、ここでポッドキャストへの出演が決まります。
トレラン用のライブ配信と計測サービスを提供する IBUKI が運営する、IBUKI STATION への出演です。
公開日が 2024年8月29日ということで、あまとみ・信越トレイルを歩き終えた6月から、たった2か月しか経っていません。
生煮えにもほどがある状態ですが、なぜか2人のハイカーは熱く語っています(笑)
ここでも、ポッドキャストを聞いてくださったハイカーの方々から、連絡が入るようになりました。
生煮えであっても、情報公開を先行するのは、特に立ち上げ期においては重要だと改めて認識させられる出来事でした。
突然決まったトレイルの公開期限
最初のころは、なんとなく年内にルートが決まって、翌年の春くらいにトレイルを公開できれば、くらいの時間軸で考えていました。
ところが、露出が続くときは続くもの。
ポッドキャストへの出演を経て、今度は大手アウトドア雑誌からの取材依頼が入ります。
国内のハイカーであれば、みなさんご存じのメディアです。
ありがたいことに、またしても生煮え状態の我々の活動に関心を持って頂き、本誌の記事で取り上げて頂くことが決まりました。
待てよ。
記事に出るということは、その時点でトレイルの存在が公(おおやけ)になるということ。
ここでめでたく、トレイルの公開期限、つまりデッドラインが設定されたのです。
期限は年内。それまでに可能な限り、トレイルの詳細を詰める必要性が出てきました。
そんな切迫した雰囲気を察してか、Ryo さんが強力な助っ人を連れてきてくれました。
それが、同じく現在のメンバーである Yuto さんです。
関西在住ハイカーの Yuto さんの Instagram 投稿から
Yuto さんも、あまとみトレイルを最近歩かれたということで、LBHがやろうとしている事のコンセプトはすぐに理解してもらえました。
この日から、3人体制での分担作業が始まります。
Ryo さんに加えて、Yuto さんも時には単独でルート開拓や現地調査に出てもらうなど、本当に助かりました。
気が付けば、自分が掲げた構想にいつの間にか賛同してくれる人が増え、チームで動いている状態になりました。
いよいよ詰めの作業
2024年12月。構想から半年で、あっという間にデッドラインがやってきました。
残るセクションは、永原駅からメタセコイア並木までのルート。
この日の現地調査は、いつもの3人に加えて地元ハイカーの Nabe さんも加わり4人で実施。
その際の様子も、Ryo さんが動画にアップしてくれています。
最終セクションを4人で歩いた時の様子
最終セクションを歩き終えて、ようやく当初想定していたルートの現地調査を一通り終えることができました。
特に Yuto さんが、こまめにメモをとってくれて、これからこのトレイルを歩くであろうハイカーのための貴重なデータを収集してくれていました。
ハイキングを終えた帰りの電車の中で、このトレイルを表す良い名前を考えようという話に。
ここで、またしても Ryo さんの才能が覚醒します。
結論から先に言えば、「奥琵琶しおかぜトレイル」は Ryo さんが付けた名前になります。
Ryo さんが、この名前にたどり着く間、自分は ChatGPT に頼りっきりで、よく分からない中途半端にアメリカンな名前ばかりを考案していました。
またしても、トレイルに命を吹き込んでくれた Ryo さんに感謝です。
これからの話
そんなこんなで、ギリギリのタイミングで新しいトレイルをみなさんに公開できるようになりました。
しかしながら一方で、まだまだルートの完成度が低く、ハイカーにとって重要な情報となるテント場、水場、リサプライ場、公共交通機関などのデータがまだ足らない状態です。
これらの情報は、ゆくゆく Guide Book や Data Book のような形で提供する予定ですが、現状ではGPSデータがあるだけです。
もう1つ大切なことは、今回LBHが提案するトレイルは、既存の道路、林道、山道をつなげる形で実現しています。
これは、つまり先に道を開拓・整備された方がおられる、ということを意味します。
それは行政であったり、地元の林業従事者の方々であったりします。
そして、これらの道は現在もそういった方々によって維持・管理されています。
言い方を変えれば、私たちは先人が作ってくれた道にタダ乗りしているような形です。
より多くのハイカーが滋賀を訪れ、LBHが提案するトレイルを歩いてくれることは嬉しいことですが、その行為だけでは一方的な資源の消費に終わってしまいます。
LBHとしては、ようやくスタート地点に立つことができたわけですが、これからはトレイルの維持・管理にもしっかり目を当てて、持続可能な活動を続けていけるよう努力したいと思います。
最後に湿っぽい締めくくりになってしまいましたが、とにかく、1度歩いてみてください。
滋賀の新しい魅力に、気づいて頂ければ幸いです。
ついでにLBHのコミュニティに参加したり、フィードバックを頂けたら嬉しいです。
それでは、みなさん。Let's Be Happy で。
トレイルで会いましょう!